【今週末のマラソンでPBを出したいランナー必見】科学的に正しいレース当日朝の食事とは?
- 治樹 片岡

- 1月8日
- 読了時間: 6分
更新日:1月12日
今週末のマラソンでPBを出したいランナーへ
ランナーの皆さん、こんにちは。快腸走社長の片岡治樹です。
今週末の1/11日曜日にマラソンレースを控えている人は多いのではないでしょうか。都内だと「東京ニューイヤーハーフマラソン」とかが開催されるそうで、気候も良いのでPBが期待できます。今日はそんな皆さんに、「レース当日朝は何を食べればいいの?」というタイムリーな情報をお届けしたいと思います。
今回お話するのは、レース当日朝はパンとかおにぎりを食べればいいとか、巷で言われている食事内容についてではありません。もっと深く掘り下げて、レース当日朝は「何を食べるべきで、何を食べるべきでないのか」、科学的観点から導き出される“原則”の話をします。これを知っていれば、レース当日朝に迷わなくなります。例えば、レース会場近くのコンビニに行って目当てのおにぎりが売り切れていて困ってしまうとか、宿泊先のホテルの朝食バイキングで手当たり次第に何でも食べてしまうとか、「今日は絶対PB出したい!」という大事な日に失敗する確率を減らせます。
原則その1:「朝食の消化がスタート前に間に合うかはギリギリ」
では、まず大前提からです。「食べ物の消化〜排泄には時間がかかる」ということです。
知っていただきたいのは、レース当日朝に食べたものの消化がレーススタートに間に合うかどうか結構ギリギリだということです。
食べ物は胃→小腸→大腸という順番に消化・吸収・排泄されるのですが、一般的に下記の時間をかけて胃から大腸へと消化器官を下っていきます。
胃:2~4時間
小腸:3~6時間
大腸:12~48時間
つまり、全体としての胃から大腸までの通過時間は「最短17時間〜最長58時間」ということになります。
なので、"レース当日朝に食べたものがスタートまでに排泄されることはありえない”です。ここは誤解されがちなポイントです。
よく「レース当日朝はスタート3時間前におにぎりを食べましょう」と言われることがありますが、あれは3時間前に食べたおにぎりなら胃での消化がギリギリ終わっているからです。少なくとも胃での消化が終わっていれば、走っている最中に胃の中で内容物が暴れて気持ち悪くなったり、胃酸が込み上げてきたりする可能性は低いです。なので“スタート3時間前の朝食”という教訓は、この胃で起こるトラブルリスクを避ける意味合いが強いです。
そもそも胃の中に内容物が残っている状態で走るのって相当キツイです。私は食事で腹パンになった30分後に3kmを4:50/kmで走るという人体実験をやったことがあるのですが、胃腸トラブル不可避だと思います。途中で食べ物が出てきそうになりますし、消化するために胃に血液が集まっているため筋肉に血液が行かず普段よりペースを上げられなくなります。
原則その2:「固形物ほど消化に時間がかかる」
続いて、2つ目の原則は「固形物ほど消化に時間がかかる」です。
胃:2~4時間
小腸:3~6時間
大腸:12~48時間
先程も示した胃から大腸まで通過するのにかかる時間ですが、これは食べ物の内容によって変わってきます。例えば、果物や肉のような固形物であれば時間がかかります。おかゆのような流動食に近いドロドロした食べ物であれば、胃の消化が容易なので大腸までの通過時間は短くなります。
ただし、例外がもあります。エネルギージェルのような半固形物が胃を通過するのにかかる時間は最短で30分〜1時間と言われています。走っている最中の補給食として、エネルギージェルが好まれるのは胃〜大腸までの通過時間が短いことが理由です。
原則その3:「食物繊維・たんぱく質・脂質は胃腸に負担がかかる」
そして最後の3つ目の原則は「食物繊維・たんぱく質・脂質は胃腸に負担がかかる」です。
固形物の中でも、「食物繊維・たんぱく質・脂質」は胃腸の消化・吸収・排泄に時間と労力を要します。
「食物繊維の多い食品」というと、例えばナッツ、野菜、きのこ、海藻、果物などが食物繊維がそれに当たります。胃から大腸までの通過時間が長く、胃腸への負担も大きいです。
ただし、果物の中でもバナナは比較的胃腸に優しい食品と言われています。バナナは「ペクチン」という水溶性食物繊維が主成分なのですが、水溶性食物繊維は不溶性食物繊維と違って胃腸内でドロドロしたゲル状になるものです。不溶性食物繊維は胃腸内で“食べ物の残りカス”になりやすく、大便のかさを増やしてしまいます。そのため、ランナーでもバナナを朝食に選ぶ人は多いです。私は基本的にフルマラソンでも朝食は食べずに走るのですが、稀に食べる場合はバナナを選んでいます。
また、小麦由来の糖質源として食パンもランナーに人気ですが、これも不溶性食物繊維が少なめなので朝食として“あり”な食品です。私も一度レース当日朝に試しにトーストを食べたことがあるのですが、特に胃に残ったりすることもなく胃腸トラブルの問題はありませんでした。
ただし、ライ麦パンのような全粒粉パンには注意が必要です。全粒粉パンには胃腸に負担のかかる不溶性食物繊維が豊富に含まれています。胃の中に長く滞留して、大腸内に食べ物の残りカスが多くなるのでレース当日の朝食としては微妙な選択肢に入ります。
あとは、「たんぱく質が多く含まれる食品」も胃腸への負担がかかります。例えば、動物性たんぱく質が主になっている牛肉、豚肉、鶏肉、それから魚肉。肉の繊維が多く、消化されるまでに多くの時間とエネルギーが必要です。
こういうランナーは少ないと思いますが、レース当日朝に景気付けと言って牛ステーキや牛丼を食べると、ほぼ間違いなく走っている時に胃が苦しくなります。ちなみに、先程私が言っていた人体実験は牛ステーキを食べた30分後に行いました。走りながら気持ち悪くなり、せっかく食べたお肉を吐きそうになったので、本当に消化に悪いのだなと実感した次第です。
最後に脂質つまり「脂っこい食品」も避けた方がいいです。脂質も同じく胃腸への負担がかかる成分で、胃もたれがしやすくなります。食べ物がずっと胃の中にあって不快に感じたり、気持ち悪くなったりします。
例えば、レース当日の朝にオリーブオイルたっぷりかけたパスタは避けた方が無難ということです。サシが入った牛肉やジューシーな豚バラ肉のソテーはなんとも美味しそうですが、これはレースが終わって余裕がある時に美味しくいただくのが吉です。
以上、今回は「レース当日の朝食で気をつけたい3つの原則」について書きました。
実はこれらの原則とくに3つ目に関しては、海外のトップトレイルランナーでは当たり前に実践されていることです。日本の市民ランナー界ではこうした知識はまだ知れ渡っていないので、皆さんのお役に立てればと思って今回は取り上げました。
今週末のマラソンでは、この3原則を頭に入れて当日朝に何を食べればいいのか判断する目安にされてみてください。
また次回のブログでお会いしましょう。
それでは。
株式会社快腸走
代表取締役社長
片岡治樹

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