マグネシウムは脚攣り対策に効かない
- 治樹 片岡

- 5 日前
- 読了時間: 6分
こんにちは。快腸走の片岡です。
今はマラソンシーズンの真っ只中。皆さん色んなマラソン大会に出て、楽しかったり嬉しかったり、また悔しかったり色んな経験をされていると思います。
そんなマラソンレース中によくあるのが“脚攣り”。30kmや35km以降の失速とともに訪れる脚攣りです。人によって攣る箇所は違うと思いますが、腿裏やふくらはぎが多いと思います。
そのような脚攣りですが、なんとか脚攣りを起こさせないように皆さん苦心して色んな「脚攣り対策」を講じている方も多いと思います。
例えば、
マグネシウム
ナトリウム
カリウム
こういった電解質やミネラルと呼ばれる栄養素のジェルを摂取する。
あるいは、脱水症状にならないようにしっかり水分補給をする。
こういった脚攣り対策を行っている市民ランナー多いです。
ところが、実は今あげた脚攣り対策はすべて効果が無いことが科学的に分かっています。
そう言うと、
「AIに聞いてそう書いてあったから!」
「ググってみたらそう書いてある情報が沢山ありましたよ!」
と何かしらの情報源をご覧になって正しいと思い込んでいる方々は多いです。
ですが、かつて私は起業家として生成AI事業を立ち上げた経験があり、生成AIの特性について学んだことを言わせていただくと、「AIは間違ったことを言う可能性がある」ということです。これはGoogleが表示する検索結果の情報でも同じことが言えます。
というのも、AIやGoogle等検索エンジンが参照したり収集している情報はインターネット上にアップされている数多のブログ記事やニューサイト、SNSなど玉石混交の情報を利用しています。当然その中には、「マグネシウムが脚攣り対策に効く」のような“一般的に正しいとされているけど実は間違った情報”が混ざっています。そのため、AIや検索エンジンは間違ったことを言う可能性は常にあることを気に留めておく必要があるということです。
「そのように間違った情報がたくさん出回り、情報の受け手がきちんと判断できないので間違った行動を繰り返す。しかもAIを色んな人が使えるようになったことでそれが加速している。」というのが現在の世の中で起きている現象です。
では、どうやって正しい情報を見極めるのか。
それは、なるべく一次情報にあたることです。例えば、栄養学のような科学分野であれば英語の論文が世界中の研究機関から無料で公表されています。それも複数の論文を読みながら、自分の頭で総合的に結論を導き出す能力が必要です。
とはいえ、多くの市民ランナーは趣味でランニングをしているわけなので、そこまで根詰めたことは中々できません。なので次に頼りになるのは、そのような一次情報を代わりに吸収して発信してくれる人の情報を参考にすることです(それでも最終的な判断は受け手に委ねられていますが)。世の中には私のような変わり者が、たかが趣味の領域にも関わらず、知識への執着心が異常で学んだことを発信してくれています。
実際私は、100本以上の海外の論文や日本語で出版されている関連書籍のほとんどは読み漁りました。そういった情報を統合すると、「脚攣り防止にマグネシウムは効かない」ということは、医学的に確定しているコンセンサスと私は結論付けています。
また、ランニング中に発生する脚攣りは、就寝中に脚が攣る現象いわゆる“こむら返り”と違うメカニズムであることが分かっています。そのため、一般的にこむら返り対策に効くとされている“水分摂取”や“ナトリウムなどの電解質摂取”と、ランニング中の脚攣りは無関係だったことも実験で明らかになっています。
ぜひ「何となく」や「誰々が言っているから」とか「よく言われているから」などで情報を判断なさらず、できる限り科学的根拠のある情報を参考にして判断することをおすすめします。科学が常に正しいわけではありませんが、少なくともより確かな方向性を示してくれるはずです。
では、ランニング中の脚攣りの原因は何か。
これについて科学の世界で現在言われていることは、「筋疲労」によるものだということです。
筋疲労とはもう少し具体的に言うと、“特定の筋肉のグリコーゲンが枯渇している状態”です。イメージしやすいように申し上げると、マラソンの30km以降で脚が重たくなるという現象は、「特定の脚の筋肉を使いすぎた結果、脚の筋肉のエネルギーが局所的に不足している」という状況が起きています。ポイントは“局所的なエネルギー不足”です。脚は攣っても腕は元気に動きます。攣ってしまった脚の“その筋肉”だけピンポイントにエネルギーが枯渇しているのです。
なぜ局所的なエネルギー不足が起きてしまうのか。
例えば、考えられる要因は次のとおりです。
ランニングフォームが非効率のため、特定の筋肉に集中的に負荷がかかっている
緊張や不安などで特定の筋肉を力んでしまっている
どこかに抱えた痛みを庇う動きをし続けた結果、特定の筋肉を酷使している
普段使わない筋肉を酷使している
そもそも、全体的な脚の筋持久力が足りていない
私が脚が攣った経験を振り返ると、たくさん思い当たる節があります。例えば、4なんかはトレランしている時によくあります。普段ロードを走るときには使わない前太ももを、トレイルの下りで酷使してしまって盛大に攣って動けなくなるとか。そもそも私がマラソン始めたての頃なんてのは、1〜5すべて当てはまって30km過ぎには満身創痍になっていました。
皆さんにも、きっとそのような経験はあると思うのですが、いかがでしょうか。
結局、脚攣り対策にサプリやジェルとか薬とか特効薬は無いということです。唯一有効なのは、結局練習あるのみ。これが王道です。練習すれば走りも洗練されるし、精神的な余裕も生まれるし、何より筋持久力が養われます。
ということで、今日は情報リテラシーの話に若干逸れましたが、とにかく「脚攣り防止にマグネシウムは効かない」ということはお分かりいただけたでしょうか。
正直、このマグネシウムの話をすると他社メーカーの批判と受け取られる可能性があるので、あまり表立って言わないようしています。それだけマグネシウムを入れているジェルは多く、私もこの論点の扱いに慎重です。この文章をお読みいただいている方にはお分かりいただけると思いますが、あくまで科学的事実を述べているに過ぎないとご理解くださいませ。
以上!今回も皆さんのお役に立てたのであれば幸いです!
引き続きよろしくお願いします。
株式会社快腸走
代表取締役社長
片岡治樹

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