走るとなぜかお腹が痛くなる謎
- 治樹 片岡

- 2025年12月25日
- 読了時間: 6分
走るとお腹が痛くなるという謎の現象
ランナーの皆さん、お疲れ様です。快腸走社長の片岡です。
今回は「走っている最中になぜかお腹が痛くなるけど、何なのあれ?」というランナーの疑問に答えようと思います。
さて、この疑問なのですが私はめちゃくちゃ分かります。私もかつては同じように走っている最中にお腹が痛くなり、何度トイレに駆け込んだか…。今日は大丈夫だろうと思っていても、突然やってくるんですよね。あの腹痛が。私のような熟練者ともなると、腹痛の違いを感じ取れるようになります。「あ、これはあと10分も持たんやつだわ」とは「まぁ、これは直に収まるからスルーしていいやつだわ」とか痛みの感覚によって切迫度を察知できます。その感覚を元に、あとどのくらいの距離でトイレに辿り着けるのかタイムリミットから逆算して、走るペースやルート変更をしていくのです。私はそうやって幾度となく修羅場を乗り越えてきました。お腹ゆるゆる系ランナーがゆえのニッチなスキルを身に着けてしまったようです。
私の腹痛ハードシングスのエピソードはここらにしておいて、もっとカジュアルに腹痛を経験したことって皆さんきっとあると思います。
例えば、子供の頃です。
学校の持久走でお腹が痛くなった
そもそも持久走が嫌すぎて走る前にお腹が痛くなった
部活の走り込みで毎度お腹が痛くなった
そういえば昔はそんなことあったなー、と思いませんか。実はこれ、大人のランナー界隈で起きてる腹痛問題と原理的には同じ現象です。
私のように大人になってから走り始めたランナーだったら、例えばこういうことってありませんでしたか。
フルマラソンのレース中に急に便意を催して、トイレにピットインしたら目標タイムに惜しくも1分届かなかった
フルマラソンはいつも始まる前からお腹に違和感があって、ギリギリまでトイレに籠もったり、下痢止めを持っていないと不安
トレイルランニングの長距離レース中に、下痢になってしまいノックダウン。そのままDNFへ
子供の頃と今も変わらず腹痛に悩むランナーもいますし、逆に大人になってから悩むランナーもいますが、大なり小なり皆同じような悩みを抱えています。
お腹が痛いといっても色んなタイプがある
さて、走行中の腹痛といっても意外とバリエーションがあります。腹痛のタイプをざっとあげるとこんな感じです。
胃が痛くなる
脇腹が痛くなる
下腹部がギュルギュルと締め付けられて、便が出そうになる痛み
ガスによって下腹部に張りを感じる痛み
心当たりはありませんか?普段恥ずかしくて口に出せないけど、実はこういう経験があるランナーって多いんですよね。
実際、とあるオランダの研究者が市民ランナーを対象に行なった研究では、実に約6割が何かしらの胃腸トラブルを経験したと報告されています。この約6割の数字の中には相当程度の腹痛も含まれているだろうと推測します。
誰でも腹痛になる
腹痛に悩むのは、何も市民ランナーに限った話ではありません。プロランナーも同様です。以前、大迫傑選手が東京オリンピック出場をかけて走ったレースの終盤で脇腹を押さえて走っていたことがありした。日本を代表するプロトレイルランナーが世界大会で、「走って着地する度にお腹が痛かった」とレースを振り返っていたこともあります。
腹痛は誰でも起こり得ます。
基本的に腹痛を含む胃腸トラブルは、身体を追い込めば追い込むほど発生リスクが高まります。走る距離が長くなればなるほど、走るペースが速くなればなるほど、精神的なプレッシャーが増えるほど、そして暑さ寒さなど環境が険しくなるほど胃腸トラブルは起きやすくなります。ここに競技レベルは関係なく、個々人にとってかかる負担が大きいほど胃腸トラブルの程度と頻度は大きくなる、ということです。
ぶっちゃけランニングは胃腸に悪い
「ランナーなら誰でもお腹が痛くなるってどういうこと?」ときっと疑問に思われるでしょう。
実は、ランニングは他のスポーツと比べて胃腸トラブルになりやすいスポーツです。ランニングは、長時間に渡って胃腸の血流が不足したり、1分間に180回胃腸が揺さぶられたりする競技です。場合によっては、酷暑や極寒の中で身体を追い込むこともあります。
ランニングは胃腸にダメージを与えやすい。言ってしまえば、胃腸に悪い運動です。
私はこれまで学生時代の部活動として水泳とアイスホッケーを経験してまいりましたが、こんなにも胃腸トラブルに悩んだことはありませんでした。社会人なってから少しだけゴルフを嗜んだことがありますが、ゴルフで胃腸トラブルになることってありますか?12ホールを回っているプレー中に、胃腸トラブルが原因で棄権することなんて無いですよね。サッカーやバスケットボール、野球など他のスポーツでも、胃腸トラブルに意識が向くことはそう無いと思います。
実はランニングなどで起こる胃腸トラブルは、医学的に「運動誘発性胃腸症候群」と定義されています。中でもランニング中に起こる下痢に関しては、「ランナー下痢」英語で「Runner's trots」または「Runner's diarrhea」とこれも医学的に定義されています。 この分野に関して世界中で研究対象とされているほど、ランナーの胃腸トラブルは一般的な問題なのです。
胃腸トラブル対策してランニングを楽しもう
ランニングはお腹に悪いことが分かったところで、そこまで無理して走る意味ってあるのか疑問が湧いてきますが、私は大いに意義あると思います。 他のスポーツと比べてランニングは体力が付きやすいですし、精神的に落ち着くと日々感じます。何よりランニングに携わっている人たちの人間性が良い。人間関係も充実しています。だから私はランニングを通じてQOL(人生の質)が上がるというのは真理だと考えています。
ただし、“胃腸トラブル対策しさえすれば”です。 やはりランニングをライフルスタイルに取り入れている以上、いつかのタイミングで大なり小なり胃腸トラブルに悩む時は訪れるでしょう。人によってはもう既に悩んでいると思います。
私としては、ランナーの皆さんには胃腸トラブルに悩まないランニング人生を送っていただきたいですし、できるだけそのサポートをしていきたいと考えています。そうすれば、皆さんのQOLはもっと上がりますし、何より胃腸トラブル対策をすることによって普段の日常生活そのものから健やかになると確信しています。
以上、「走るとなぜかお腹が痛くなる謎」の解説でした。
ランニング中に起こる“腹痛”という現象の解像度が上がったと思います。
今後もランニングの胃腸トラブルに関して情報発信してまいります。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
株式会社快腸走
代表取締役社長
片岡治樹

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