本書は「すべてのランナーの胃腸トラブルを解決する」ため、株式会社快腸走 代表取締役社長の片岡治樹が、最新の研究と世界のトップ選手の実践、そして自らの体での試行錯誤をもとに、胃腸トレーニングの考え方と具体的な手順をまとめた一冊です。
フルマラソン・ウルトラマラソン・トレイルランニングのレースで、後半になると補給を受け付けなくなるランナーに向けて書いています。
「レース中は1時間に60g、90g、できれば120gの糖質を摂るべきだ」という話をよく見かけるようになりました。2026年のロンドンマラソンで、公式レースで初めて2時間を切ったサバスチャン・サウェ選手は、1時間あたり約115gの糖質を摂っていたそうです。そのために、1年ほどかけて胃腸を本番の補給に慣らしていきました。日本でも、大迫傑選手がLTインターバルの合間に糖質を摂り、胃腸を慣らしています。
胃腸は、脚や心肺と同じように、練習で鍛えることができます。欧米のトップ選手やトップチームでは当たり前になりつつあるこの「胃腸トレーニング」の情報は、日本ではトップランナーにもまだ十分に届いていません。本書では、そうした情報を研究論文と世界のトップ選手の実践から集め、市民ランナーが実際に取り組める形にまとめました。
■本書で得られること
・そもそも胃腸トラブルがなぜ起こり、胃腸トレーニングで胃腸が糖質に適応していくのか、その仕組みが分かる
・レース中に1時間あたり何gの糖質を摂ればいいのかを、4つの式で自分で計算できる
・その量を受け付ける胃腸を、8週間でどう作っていけばいいのかが分かる
・大迫傑選手、サウェ選手、クリス・マイヤーズ選手など、世界のトップ選手がどう胃腸を鍛え、どれだけ補給しているのかが分かる
・「1時間に90g、120g摂るべき」といった情報に振り回されなくなる
■目次
はじめに この本は、誰のための本か
第1章 ほとんどのランナーが誤解している「ハイカーボ戦略」の真実
・物が移動するには、必ずエネルギーが要る
・よくある誤解「遅い人ほど消費カロリーが多い」
・エネルギー源は強度によって決まる
・糖質1時間あたり「120g」「90g」という数字が一人歩きしていませんか
・ハイカーボは目指すものではなく、結果として実現するもの
・コラム 脂質が主役のバックヤードウルトラでも、糖質は要るのか
第2章 世界のトップ選手が取り組む胃腸トレーニング
・胃腸トレーニングとは
・世界のトップ選手は、すでに胃腸を鍛えている
・トレイルランナーは、一歩リードしている
・胃腸トレーニングで得られること
・胃腸トレーニングが必要な人
第3章 8週間で完成する胃腸トレーニングの実践方法
・まず、自分に必要な糖質量を計算する
・胃腸トレーニングはポイント練習の日に
・今の摂取量から、15gずつ2週間刻みで増やす
・私の実践記録(信越五岳100mileから、100kmのウルトラマラソンへ)
・摂り方の工夫(チーム快腸走の選手たち)
おわりに 胃腸トレーニングを始めるなら、今です
参考文献
■こんなランナーに届けたい
・マラソンの30km以降や、ウルトラ・100mileの後半で補給を受け付けなくなる人
・補給を増やしたら、気持ち悪くなったり下痢になったりした人
・トップ選手の補給量を見て、自分は何gを目指せばいいのか分からない人
レース後半も補給を受け付ける胃腸で、練習で積み上げてきた走力をゴールまで出し切っていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

