信越五岳100mileを終えて、今思っていること

ランナーの皆さま、お疲れ様です。株式会社快腸走の片岡です。
結論から申し上げます。 先日の信越五岳100mileは、53km地点のアパリゾートで無念の関門アウトとなりました。
心も体も癒えて元気になって日常を取り戻しつつある今日、今回の信越五岳で何が起きたのか。それに対して私には何を思い、これからどうしていくのか整理できてきたので、ここでお伝えしたいと思います。
まず今回のレースで一番反省しているのは、関門時間を確認せずにスタートしてしまったことです。
偉そうに聞こえてしまったら申し訳ないのですが、私はこれまで関門時間を意識してレースを走ることがありませんでした。今回も最後尾からスタートして、胃腸トラブルを起こさないよう序盤はかなり余裕を持って入り、後から徐々にペースを上げていくつもりでした。
ところが最後尾に近い位置では、斑尾や袴岳をはじめ、登りも下りもことごとく渋滞しました。感覚的には合計で1時間半くらいは渋滞で時間を失ったと思います。
それでも私は焦っていませんでした。正直余裕だとさえ思っていました。理由は、そもそも関門時間を把握していなかったからです。
関門エイドのアパリゾートに着くと、ボランティアの方から「受付はこちらです」と言われました。
「何の受付ですか?」と聞くと、「リタイアの受付です」と言われました。
「え、どういうことですか? 関門アウトってことですか?」
と私は聞き返しました。
その場にエイドサポーターとして来てくれていた快腸走の仲間にも確認して、そこで初めて本当に関門アウトになったことを知りました。
頭が真っ白になりました。
そこから15分くらい、「意味分かんないんだけど……」とつぶやきながら呆然としていたと思います。「現実を受けれたくないという感情」と「動かない現実」の間で頭の中がぐるぐるしていました。関門時間すら調べずに100mileをスタートした自分のバカさ加減にも、かなり落ち込みました。
結果的には関門に約9分間に合いませんでした。
アパまでの平均心拍数は137。胃腸トラブルもなく、体力的にもかなり余裕がありました。関門時間を把握していれば、もっと早い段階でペースを上げることは十分可能でした。
信越五岳大会実行委員長の石川弘樹さんにもこの話をしたら、「あれだけ勉強熱心なんだから、それくらい知っておかなきゃ。頼むよ(笑)」と言われました。本当にその通りです。
一方で、同じ平均心拍数137で走ったとしても、今より走力が高ければもっと速く進めたはずです。関門時間を確認しておくことは大前提として、走力そのものももっと上げたいと思っています。
来年は今より倍くらい強くなって帰ってきます。
自分のレースが終わった後も、信越五岳は続きました
関門アウトの後は気持ちを切り替えて、友人や知人のサポートと応援に回りました。100mileを30時間で走るつもりだったので、エネルギーが有り余っていました。ならばこの行き場の失ったエネルギーを仲間のために使いたい。そう考えて、思いつく限りの仲間全員のサポートをすることに徹しました。
池の平、水辺の広場公園、笹ヶ峰、戸隠など回りながら午前中から深夜までランナーを応援し、最後は飯綱のフィニッシュ地点へ。22日の午前3時半、制限時間が終わるところまで残り、最後までランナーのフィニッシュを見届けました。
そして帰ろうとして暗い駐車場を歩いていた時、一人の女性ランナーの方が私を見つけて声をかけてくださいました。
今回RELOADを使って、110kmを胃腸トラブルなく完走することができたこと。そして最後に、
「これからも愛用します」
と言ってくださいました。
自分自身のレースは53kmで終わってしまいましたが、その日の最後にこの言葉を直接いただけたことは、本当に嬉しかったです。
他にも、信越五岳公式試走会でRELOADを購入してくださった方から、以前完走できなかった100mileに再挑戦し、今回は胃腸トラブルなくリベンジを果たすことができたという報告をいただきました。
別の方には大会後にも、
「使えば使うほど、良さが際立つ。次もお世話になりますよ!」
という連絡をいただきました。
レース中に私がエイドで応援している時にも、「RELOAD使っています!めっちゃ良いですね!」と直接声をかけてくださる方が何人もいました。
選手としては不甲斐ない結果に終わりました。一方、起業家としては、これまで作ってきた商品や発信してきた情報が誰かの信越五岳100mileや110km完走に役立っていることを、今回かなり身近に感じることができました。
自分がやってきたことは間違っていなかったんだなと思えましたし、もっとこの事業をやっていきたいという気持ちも強くなりました。
GEL BASEにも、今回かなり可能性を感じました
今回の信越五岳では、GEL BASEも4,000個近く用意して、参加者の皆さまにかなりの数を配布しました。

そして実際に使ってくださった方から、レース後半になると通常のジェルは受け付けなくな
ってくるけれど、飲み物であれば摂れるので、GEL BASEを500mlのフラスクに溶かして糖質を摂ったという話を聞きました。
「後半はジェルを受け付けないけれど、飲むことはできるので、それでエネルギーを取りたい」
という使い方です。
その方からは大会後、「もっと使いたい。販売していますか?」と連絡をいただき、次の10月末の100mileトレランレース LAKE BIWAでも使いたいと言っていただきました。
後半にジェルが入らなくなった時でも、濃度や摂り方を変えることで糖質を摂り続けられる人がいる。この点は、今後RELOADやGEL BASEを使った補給戦略として、もっと整理して発信していきたいと思っています。
一方で、まだ解決できていない人もいます
今回、RELOADを使って胃腸トラブルなく完走できた方がいる一方で、RELOADを使っていても下痢になった方、嘔吐してしまった方もいます。
だから、快腸走としてまだまだやるべきことがあります。
特に今回感じたのは、1時間に糖質を何g摂るのかという情報を、もっと丁寧に伝えなければいけないということです。
例えば、これまでロングレースであまりジェルを使ってこなかった人が、いきなり1時間に糖質60gを摂る。それをその人の胃腸がまだ処理できなければ、消化不良や下痢につながる可能性があります。
そういう方であれば、まずは例えば30g/h程度から試し、自分の胃腸がどのくらいの量まで処理できるのかを練習の中で確認していく。そして、レース本番だけではなく普段の練習から補給を行い、胃腸トレーニングをしていく。
単純に「糖質を目標量摂ればいい」「カロリーを摂ればいい」という話ではなく、それぞれの胃腸の消化吸収能力やジェルへの慣れに応じて考える必要があります。
今後はこのあたりまで、もっと細かく整理して情報発信していきたいと思っています。
胃腸トラブルの原因の一つでもあるナトリウム不足への対策もあります。レース中でも使いやすい小さなタブレットのような商品を、今後開発できないかとも考えています。
ただのジェル会社にはしたくありません
そして、もっと根本的にやりたいことがあります。
今回の信越五岳で、実際にどれくらいのランナーに胃腸トラブルが起こり、どのような症状があり、何が原因だったのか。まずはその実態をもっと知りたいと思っています。
今後、信越五岳運営側とも相談しながら、可能であれば信越五岳の医療チームとも連携して、胃腸トラブルに関するデータを集めていきたいと考えています。
また、このメルマガを読んでくださっている信越五岳参加者の皆さまにも、今後、今回の胃腸トラブルについてアンケートなどで実態調査をお願いすることがあるかもしれません。
もしこの調査が実現できれば、日本のトレランレース史上最も量・質共に秀でた胃腸トラブルデータを可視化できる可能性があります。
商品を売って終わりではなく、なぜ胃腸トラブルが起きたのかを調べる。誰か個人の経験則も私は大事だと思っているのですが、現場のデータを吸い上げてフラットに分かったことを次の商品開発やどこよりも詳しい情報発信をしていく。これをやりたいと思っています。
さらに将来的には、医療従事者の方々とも連携しながら、ランナーのための胃腸トラブルの診断・相談プログラムのようなものまで作っていけたらと思っています。個々人によって胃腸トラブルの原因が違う可能性があるので、医療の観点から包括的かつ詳細にランナー一人ひとりが原因を突き詰められる仕組みです。
ランナーが胃腸トラブルに悩んだ時に相談できるサポート体制も含めて、会社としてもっとできることの幅や深さを出していきたいです。
快腸走が掲げているのは、
「すべてのランナーの胃腸トラブルを解決する」
という目標です。
本気でそこを目指すのであれば、それくらいのことまでやらなければいけないと思っています。ただのジェル会社ではなく、ランナーの胃腸トラブルそのものを解決する会社にしていきたいです。
ランナーとしては、ここからまた積み上げます
幸い、今回の信越五岳で私は身体にほとんどダメージを負っていません。まるで53km試走してきたかのような心地よい疲労でレースを終えました。肉離れのような内傷や骨折のような外傷もなく、すでに練習も再開しています。
これまでかなり練習を積み上げてきて、昨年より確実に走力も上がっています。その状態からまた練習を積み上げられることは、不幸中の幸いだと思っています。
今シーズンのトレイルランニングのメインレースは、信越五岳で終了します。ここからはマラソンシーズンに切り替えます。
現在のフルマラソンの自己ベストは2時間47分。まずは2時間40分切り、そこから2時間30分台、さらに2時間30分切りが狙えるところまで、走力を大きく伸ばしていきたいと思っています。
そして来年マラソンシーズンが終わったら、またトレイルランニングへ戻ります。
その時はZone2の練習量を増やして、同じ低い強度でももっと速く走れるように、Zone2で走れるペースの幅を広げていきたいと思っています。それが来年の信越五岳100mileをもっと余裕を持って走るための走力にもつながるはずです。
来年の信越五岳100mileには、今より倍くらい強くなって帰ってきます。
ランナーとしても、起業家としても、今回の信越五岳で見つかった課題を一つずつ次につなげていきます。
引き続き、よろしくお願いします。
株式会社快腸走
代表取締役社長
片岡治樹



コメント